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キヤノン医療に軸足

1219日、キヤノンの御手洗会長は記者会見し、東芝メディカルシステムズの買収を完了したと発表しました。

キヤノンの既存事業の柱であるカメラと事務機の成長が鈍るなか、次の軸足をどこに置くかをずっと考えていたと、今回の買収の背景に現状に対する強い危機感があったことを明らかにされました。
もともとX線撮影装置を手掛けてきたキヤノンは、自社のコアである光学、画像技術を生かせる医療機器を新規事業のひとつの柱としてきましたが、そうは言っても画像診断装置としての陣地はなく、当面は東芝メディカルの独立性を保ちながら経営していくとのことです。

記者会見の中で御手洗会長は、「東芝メディカルが望むなら、キヤノンの医療事業を移管してもいい。」と述べたとのことで、必要以上に経営に干渉せずに、資金とキヤノンのもつ技術提供で相乗効果を高めて成長を後押しする考えを示しました。

この「相乗効果」をうまく引き出せるかどうかに、今回の買収の成否がかかっているというのが大方の見方のようで、一部では今回の買収は高値掴みという見方もあっただけに、今後の経営、舵取りは注目されると思います。

今後の方針について、キヤノンは3つの方向性を示しました。

  • 血液や便などによる診断装置や医療サービスなどの新分野への進出強化
  • キヤノンの生産技術による生産改革で、製造、調達での効率化
  • 光と超音波を組み合わせて血管を撮像する光超音波トモグラフィーなど、キヤノンの技術を完成品に仕上げる

今回の買収の他に、キヤノンはオランダの商業印刷機大手や、スウェーデンの監視カメラ大手などの大型買収をしてきていて、いずれも買収先の自主性を重視する方針で経営を進めています。
企業文化の壁、価値観の違いなどを乗り越えて、真の相乗効果を出すことを早期に達成できるか、市場は見守っています。

既存事業の成長鈍化で、新天地を求める日本企業はたくさんあります。
キヤノンと同業のリコー、コニカミノルタ、富士ゼロックスなども新たな軸足探しに躍起になっていて、大型買収はそのための大きな一手ではあるものの、その企業がもつコア・コンピタンスと、買収先の技術やビジネスモデルとどうやって相乗効果を高めていくかは、共通の課題であり、日本企業にとっては大きな壁になる可能性があります。

キヤノンのアクシス買収と同様、細かく注視していきます。

 

 

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