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東芝、数千億円の損出計上で金融支援へ

不正会計問題からの経営再建中の東芝が、再び危機を迎えそうな雲行きです。

118日に発表した中間決算報告、通期見通しでは、173月期は1,450億円の黒字を達成できそうとの発表でした。半導体が好調だということだったのですが、1か月半後の1227日、173月期に米国の原発事業で数千億円規模の新たな損出が発生する可能性があると発表しました。

原発事業を巡っては、163月期にも約2,500億円の損出計上を行っており、2年連続での巨額損出という事態になりそうだということです。

東芝の株主資本比率は9月時点で7.5%まで低下しており、連結株主資本は3,632億円にまで減少しています。今回の損出計上の規模によっては債務超過に陥る可能性もあるとの見方もあり、東芝側も「精査中で答えられない。」と損出計上の規模については明言を避けています。

今回の損出は、東芝子会社である米国原子炉メーカーであるウェスチング・ハウス(WH)が1512月に買収した原発建設会社のCB&Iストーン・アンド・ウェブスターという会社で、当初、買収によって年間2,000億円程度の売り上げ増を見込んでいたところ、買収後に資産査定をやり直したところ、想定よりも大幅に価値が下回ったことがわかったためとしており、172月までに損出額を確定させて、3月期に計上する予定とのことです。

米国での原子炉建設でのコスト見積もりが予想を上回ったとのことで、原発建設のコストは膨大な時間がかかるという説明を東芝はしているようですが、コスト管理の甘さは隠しようがなかったとメディアは伝えています。

東芝は金融機関に支援を求め、財務基盤を立て直していく考えのようです。

そもそも、7月のIR説明会で綱川社長は原発を含むエネルギー事業について「成長をけん引するメモリー事業の業績変動リスクを補完するための安定収益基盤という位置づけ」などと説明したそうです。

ここに経営としての判断の甘さがあったのではないでしょうか。

東芝をはじめ、日本企業の原発事業はこれまでは国内の電力会社向けが中心で、安定した電気料金に支えられて旨みのある事業を続けてきたのが、福島原発の事故を機に国内市場が大幅に縮小して海外に活路を求めるようになり、海外では日本よりも電力自由化がはるかに進んでいてコスト管理もきびしくなり、また電力会社と事業者との責任分担などの商習慣もまったく違うなか、事業展開に対する考えの甘さが露呈したような恰好にみえてしまいます。

国内の蜜月の商売から、グローバルで戦う体質を獲得して勝つ、ということを本当に考えていたのでしょうか。

そもそも原発事業でのコスト管理は複雑で難しいことはわかっていたはず、というのがアナリストさんたちの見方であり、東芝内部でどのようなリスク管理のもと、原発事業を「安定収益基盤」という位置づけにしたのか、いったい何を間違ってしまったのか、現経営陣がそこに手を付けない限り、東芝の再建も遠い道のりというのが個人的な感想です。

 

 

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