キヤノンがロケット事業に参入
日本経済新聞が12月2日の朝刊に掲載した記事によると、キヤノンが宇宙ロケット事業に参入するということです。
デジタルカメラなどの設計・生産手法を応用し、最適な調達部品の選択や制御機器の軽量化を推進、供給する役目を担うとのことで、子会社のキヤノン電子は数年前から準備を始め、開発チームに技術者を送り込んだようです。
海外では宇宙産業に民間が進出するケースが多くみられるようになっていますが、国内では、3,000億円とされる宇宙産業の約9割を官需が占めているのだそうですが、これで民間の進出の突破口になるのかもしれません。
東大発のベンチャー企業であるアクセルスペースや堀江貴文氏が設立したインターステラテクノロジーズなども進出を始めています。
キヤノンは、コンシューマー向けカメラ、オフィス機器などを主力事業としていながら、主力事業が将来的に伸びないことを予測した上で新たな事業創出に力を入れています。
監視カメラではAXIS社を買収し、東芝メディカルの買収で医療分野への参入も進めています。
いずれも、既存事業での光学技術、設計・生産のノウハウなどを活用した新規事業展開を見据えたものですが、それぞれ奮闘中ではあるもののコアシフトが進んでいるようには見受けられません。
宇宙産業も有望な新規分野でありますが、オフィスの電子化が急速に進む中で事業シフトが必須となってきているキヤノン、リコーなどの事務機メーカーが、どのように新規事業を立ち上げていくかは注目していきたいと思います。